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何事でもこだわりが重要です。(伝統てんからのおすすめ)

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2年前の初夏、源流のイトシロイワナHap-new36です。美しいと思いませんか?背中の盛り上がりも見事でしょ。完璧な姿態ですね。
また逢いに行けるかな~。そのためには早く体調を戻さないとね。


前にも書いたことがありますが、
「てんから」からフライフィシングに転向した時ずいぶん苦労しました。けっきょく流れの攻略かたが全く逆なんですよね。フライフィシングは短い竿でラインを繰り出し毛鉤を投射しますので、投射後はラインがべったりと水面に浮かぶわけです。そうなるとラインが流れにもまれ毛鉤が引っ張られてしまいうまく流せません。ここが難しいんです。
このために「そもそも日本の渓流ではフライフィシングは無理なんだ」とよく言われていますが、そんなことはなくて、フライフィッシングでもうまく流せるようになれば、かえって「てんから」より場所を選びません。広いところで遠くから釣ることはもちろんですし、木のかぶさった藪沢まで問題なく釣れます。私も「てんから」をやっていた時の方が開けた川を選んでいましたし、その日入る場所に応じてラインの長さを変えたりしていました。
話を戻します。「てんから」は糸をほとんど水につけないことで毛鉤までの流れをかわす釣りです。この部分がフライフィシングと全く逆なんですが、遠くまで釣ることをあきらめてしまったのか、もしくはその必要がなかったのでしょう。
「てんから」の場合、流れをかわせる距離は竿の長さで決まってきます。と言っても、扱える竿の長さにも限界があるので、3m~5mくらいが主流ですから実際の釣りにおいてアプローチの距離はフライフィシングには及びません。届く距離まで近づくしかありません
日本でも昔の人が、この部分をあきらめなかったとしたら、もしくは遠くを釣ることを必要としたならば、もっとシステマチック(リール竿)に進化して、けっきょくはフライフィシングに近いものになってたかもしれませんね。

そうならなかったおかげで「てんから」には簡素にして潔い日本的な美が伝わりました。
フライフィッシングを好むイヴォン シュイナード氏(パタゴニア総帥)が「てんから」に魅せられるのも「少し油っこいフライフィッシングもいいけどたまにはあっさりしたものが・・・?」なん~て、ところかもしれないですね。

 両方の釣りをやってきた私は「てんから」は「のべ竿のシンプルフライフィッシング」でありフライフィッシングは「リール竿のてんから」というほとんど同じものだと考えてます。
この釣りにはどちらにも同じように趣味性の高い奥深さとなんとなく高貴さがあります。
ただし高貴さと言うためには、釣り人自信がこだわりを持たなければならない大事なことがあります。それは「てんから」をするときは「てんから」の伝統的な作法に従いフライフィッシングの時はフライフィッシングの伝統的な作法に従うというこだわりです。作法といっても「てんから」の時は「てんから毛鉤」しか使わないこと、フライフィッシングの時はナチュラルドリフトの釣りを基本としなければならないってことだけです。

 かの開高健氏が、「釣りというものは所詮、魚を鉤で引っかけて捕まえることなんだけど、それをドン百*的にやるか貴族的にやるかということがとても重要なんだ」と言ってます。
私ももちろん貴族的にやりたいと思っています。 
 それともあなたは、「どちらが良く釣れるか?」なんて「ドン百*的」な価値感を求めるのですか。
さ~、皆さん、どちらの釣りもやってみてください。
とくにフライフィッシングの方「てんから入門」をおすすめします。日本の伝統文化なんですからやっといたほうがいいですよ。
その逆の「てんから」しかやってない方も、ぜひフライフィッシングに挑戦してみてください。
やってみないと分からないことがたくさんありますよ。

以上、長文でごめんなさい。

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これが日本の伝統毛鉤です。「キワダシングロ」「カッケ~」でしょ。
今がんばって巻いてます。石徹白フィッシャーズホリデーで販売しますよ。



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フライではハックルとよばれるんですが「てんから」では「みの毛」と言いまして、雄鶏のエリの毛です。
これは昔から珍重される「みの毛」材、キワダシングロ、です。これを巻き付けると上の毛鉤のようになります。

by itoshiro-sp | 2015-04-25 17:25 | てんから  

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