イトシロ甘えん坊

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イトシロ甘えん坊(トウモロコシ)の収獲始まってますよ。
イトシロへ釣りに行ったら、お土産に買ってって下さい。
めっちゃ甘~いですぞ、絶対おすすめです。


釣り人って、一日中釣りばっかりでブラブラするゆとりのない人が多いけど、
トウモロコシくらいは食べておいてほしいな~。
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# by itoshiro-sp | 2015-08-07 10:46 | イトシロ  

石徹白川の環境レベル

カジカ調査
石徹白川の生物多様性はまだ大丈夫?
2013年夏のことですが、岐阜の大学教授からカジカの調査に協力して欲しいという申し出があり案内しました。
当日は研究室の学生さん4名が調査するということで組合長も同行してくれて、一緒に石徹白川本流のカジカを探しました。
組合長の話では,「昔は川を覗けば川底に足の置き場もないほど見えたもんだが最近はほとんど見かけないな~」とのこと、苦戦を覚悟して始めたものの、やってみれば3時間ほどで60匹も捕れたのでした。
初めての我々には、この数がどんなものなのかわかりませんでしたが、学生さんたちによれば,岐阜県のいろいろなところで調査してきたが、今までの調査では1日やっても二桁も捕れたことはなかったとのこと、当日の石徹白川の結果には驚きだという。
石徹白川を知ってる人からみたら、昔と比べたらうんと減ってしまったことは事実のようだが、他の河川に比べれば、かなり良い状況だとわかったのです。

その日、先生は調査に参加されず自分は山菜採りに行ってたらしく、日中は結局お会いできなかったので、その日の夜宿泊所まで面会に伺ったら、先生はわれわれが提供したカジカを唐揚げにして食べる研究をされてました。
そのうえ「生まれたての1~3センチくらいの稚魚を見つけたことがないので、見つけたら教えてください」というリクエストをもらいました。一週間後に峠川の浅い流れの中に何匹のいるところを見つけたんで、一応、情報と画像をメールで送っておきましたが、それ以来音信不通です。こういうとき「マジ勘弁・・・・笑」っていうんですか?

ただそのおかげで、石徹白川では「減った減った」と言われながらもカジカはまだまだ生息していることがわかりましたし、アジメドジョウも川を覗けば、たくさん見えます。これら底生魚が健在ということは、石徹白川の生物多様性は、まあなんとかセーフなようです。
しかし、日本の川の環境レベルは石徹白川も含め確実に悪化しています。

僕が子供の頃(1960年代)は近所の可児川(木曽川水系)で泳いだものですが、そんな時水中めがねで覗いた川の中は何種類もの魚が生息し、生命力に満ちたとても賑やかなものでした。そのキラキラした光景は絶対忘れられない宝物のような思い出です。そんな可児川も,今はもう当時とは比べようもない無機質な流れになってしまいました。あきらかに生物多様性はズタズタに損なわれています。石徹白川はまだまだ大丈夫というものの昔にくらべれば悪化しているはずであり、全国ほとんどの河川で同じように環境劣化が進行してるんです。
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組合長まで、参加です。みなが子供に戻ったように楽しそうでした。
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学生さん4名中3名が女子でした。
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6センチから12センチのカジカ、最終的に60匹確保。
これってビックリの成果だったようです。
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カジカの稚魚、大発見!!
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約2センチです.姿は成魚と変わりませんね。
これだけ小さいと、チラカゲロウの幼虫に似ています。



夏っぽくてノリのいい曲。
The Doobie Brothers - Long Train Running
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# by itoshiro-sp | 2015-08-07 09:44 | 魚のはなし  

峠川で釣れるヤマメのこと

今年、峠川のC&R区間でも、ときどきヤマメが釣れてるようです。
石徹白漁協のよるヤマメ放流は昨年の稚魚5000尾からスタートしたことは先日のマスバイの記事
http://itoshirosp.exblog.jp/21398708/
でお知らせしましたが,このときには峠川は放流されてません。
理由は、峠川はC&Rですから現在生息しているアマゴがなかなか減って行かないでしょうから、交雑が激しくなる恐れから、ここへの放流は、いまだ方針が決まっていないからです。
目的はアマゴからヤマメに切り替えることなんですが、まだ決定的に有効な方針が決まっていないというのが本音です。

ただし、2013年と2014年の秋に30センチほどに育った成熟魚を峠川の、とある支流に放流しています。

もちろん九頭竜川サクラマス由来のF1です。
九頭竜川で釣ったサクラマスを生きたまま養殖場に運び、そこで採卵期まで畜養し人口孵化させ成魚まで育てたF1親魚を、禁漁になってから谷に放流します。
その後は放流魚自身による自然産卵に任せる訳です。
近年、水産行政も推奨している親魚放流という増殖方法です。
複合的な条件が必要となる手段なので確実な増殖効果が期待できる方法とはいえませんが、今回の場合は、単純な増殖効果より野生魚の復活と言う部分に大きな意義を求めています。

石徹白では、その初期段階として現在アマゴが生息していない谷でヤマメが定着できそうな場所に純粋なヤマメの生息域を何カ所か確保したいという考え方です。

2時間も離れた福井の養魚場から大型の成熟魚を運ぶのは大変なことなんです。
ビニール袋に少しの水と3~4匹魚を入れて酸素で充たし運ぶのですが、水温の上昇が厳禁なので途中で何回も氷を補充しながら運びました。もちろん漁協の事業ですが、こんな手の込んだことはどこも引き受けてくれませんので、頼るのは熱い「イトシロ愛」を持ったボランティアたちです。

最近、峠川で釣られているヤマメはこの事業の産物と思われます。
多くの人たちの、熱狂のもとに蘇ったとても貴重な純系「マスバイ」なのです。
つまり90年ぶりに石徹白川で生まれた天然個体ということになります。
数は少ないようですが、大変美しい天然ヤマメ「マスバイ」のはずです。
運良く釣れたらキレイな写真を撮ってやってください。

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蘇った美しいマスバイ、イトシロの宝の一つとなるでしょう。
このサイズ(約15センチ)の個体は今年(2014年事業)生まれの育ちの良いものか。
それとも昨年(2013年事業)生まれ?で成長の遅い個体でしょうか。
これより大きければ間違いなく昨年生まれですけどね。
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マスバイは、今、この美しい谷でひっそりと復活しようとしているのです。

http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?did=D0013773102_00000
参考動画
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# by itoshiro-sp | 2015-08-02 18:28 | 魚のはなし  

「白いイワナ」の渓

幻の白いイワナの話です。
じつは、イワナのことで心残りなことがあります。
イトシロイワナの探索に精を出してた頃、石徹白組合長から白いイワナの棲む谷の話を聞きました。その谷はどういうわけなのか、ほとんど赤みがなく大きな白点だけが目立つ「白いイワナ」ばかりだったというのです。
それまでの調べでわかってきた石徹白水系の在来イワナは、白点が少なく小さいことと赤みや黄色みが強いのが特徴だとすると、まったく逆のタイプのイワナとなります。その谷は入り口にエンテイがあり下流から遡上できないし、もちろん移植放流の記録もない、話は組合長が若い頃だから50年ほど前だとすると謎は深まるばかりです。

2011年の夏、確かめたくて大津君とふたりで行ってみました。
入り口のエンテイを越えてからも滝が連続するV字の谷、規模は小さいものなかなか豪快な谷でした。ところがいかにもイワナがいそうな渓相なのに遡れど遡れどまったくイワナの反応がない。
いくつも滝を越えていくと古そうな石組みのエンテイが現れた。
それを越えたら谷はすこし穏やかになったものの、その後も結局イワナの反応は無いままゴリラのようなおもしろい形をした大岩を画像に納めたところで引き返すことにしました。
そんな狐につままれたような探索でした。
エンテイがあったので工事用の道の痕跡でもあるかもしれないと思い、探しましたが何も痕跡を見つけられなかったので、左岸の尾根に出て帰ったのですが、これが大変な薮こぎを強いられ、そのうえ大きなケモノともニアミスするは、大変な探索となったのでした。
後で聞いたら,そのエンテイは石徹白でも最初期頃に作られたエンテイであり、その当時は石職人たちが何日も現場に寝泊まりをして、材料もすべて現地の石を加工して組み上げたというのです。だから現代のようにエンテイがあれば工事用の道があるというわけはなかったのです。
ただそのエンテイは、現在もまったく破損もなく堂々と存在していました。
そのことを知って、あらためてエンテイを気にしてみると、石徹白には本流の第一エンテイをはじめ他にもいくつか、かなり古いエンテイが見受けられますが、どれもみなちゃんと残っている訳だから技術的にも高度なものなんでしょうね。やっぱ昔の人々の人間力というものはスゴかったんだなと思うわけです。

そんなわけで、白いイワナに会えなかったことだけが「心残り」なんです。
白いイワナは絶えてしまったのだろうか?

僕は、もうあんなとこまで行けそうにないけど、
誰かがもう一度行ってくれると嬉しいんだけどな・・・・。
ゴリラ岩のもうちょっと上まで行ってれば見つけられたような気がしてきちゃって・・・・・。
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大津君は渓のぼりに強い男で、とても心強い相棒だったんですが、
彼も病気になっちゃって、もうハードなことは無理なんです。

素晴らしい渓相だったんですけど、まったく反応がなかったですね?
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滝をいくつも越えた先に現れた石組みの古いエンテイ
エンテイ下の絶好のポイントでもイワナの反応はなし、ここで引導を渡されました。
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エンテイの上流にあったゴリラのような岩
これより上流に行くべきだったかな~?
あの時、二人とももうフラフラだったからな~。
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白いイワナってこんなタイプだったんでしょうかね?(参考写真)
イトシロイワナとはまったく違うタイプのように見えても、
遺伝子的にはHap-new36かもしれないので調べてみたいんです。
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白いイワナって、ひょっとしたらこんな無班イワナかもしれない。(参考写真)
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# by itoshiro-sp | 2015-07-31 09:55 | 魚のはなし  

マスバエから「マスバイ」に訂正です。

http://itoshirosp.exblog.jp/21398708/
先日投稿したヤマメ復活の記事で、
石徹白では昔からヤマメのことをマスバエと呼んでいたと書きましたが、
正しくは「マスバイ」だったようです。
石徹白漁協の組合長確認しましたので間違いないはずです。
記事の方もちゃんと訂正しときました。

先に紹介した「峠を越えた魚」という本の中では「石徹白では雌をマスバエ、雄をタナヘラと呼んだ」という記述がありますが、現実に石徹白の年配の方と話してみるとマスバエともマスバイとも聞こえる微妙な発音です。
私は今後、「マスバイ」で統一して行こうと決めました。

ちなみに今週、漁協によるマスバイの定着状況調査が行われます。良い写真が届きましたらこちらにも画像を掲載できると思います。
今回は釣りによる調査ですので、元気なら私も選手?として参加したいところですが、どうせたいした戦力ではないのでおとなしくしています。

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画像が届きました、当日はピーカンで暑かったそうです。
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この谷にも「マスバイ」はちゃんと定着していてコンディションも良好だったそうです。
産卵に適した場所もわりと多いようなので期待できます。
イワナしか生息してなかった場所なのでアマゴとの交雑はおきません。
ここで再生産が確立できることが「石徹白マスバイ復活計画」の第一歩となります。

2013年10月に九頭竜川のサクラマスから採卵、人工授精され生まれた子です。
2014年1月頃の生まれとすると満1才7ヶ月のこの個体は顔つきからするとオスと思われます。
26センチ200グラムくらいでしょうか。
秋に産卵に参加してくれることを祈りましょう。
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# by itoshiro-sp | 2015-07-13 18:24 | 魚のはなし  

イトシロイワナの話もしておかなければと思って。

始めにことわっておきますが、ここで申し述べてることは、すべて、ただのイワナ好き(素人)の戯れ言であります。
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Fly Rodders2015夏号より
前回アマゴやヤマメ(マスバイ)の話をしたのでイトシロイワナの話もしなければなりません。
現在発売中のFly Roddersフライロッダーズ夏号は、全編イワナ特集です。その中にフライフィッシャーマンのためのイワナ学という記事があったので紹介します。
この記事は栃木県にある独立行政法人、水産総合研究所センター増養殖研究所で研究しておられる山本祥一郎博士への取材で構成されています。この山本祥一郎氏という方は日本のイワナのついて各河川ごとのミトコンドリアDNAタイプを解析し研究されていてイトシロイワナもこの方の分析で、Hap-new36という型に分類していただきました。そしてこのHap-new36が石徹白川固有の在来個体群だろうという返答をいただいております。
記事によると現在までに64ものハプロタイプ(Hap)が分類されているようでHap-new36が36番目?と考えるとその後もどんどん新しい型が増えているようです。
これらの遺伝子解析によってイワナの分類は複雑になりすぎて、もはやわれわれ素人が立ち入れる分野では無いようです。
そういう私も、昔からイワナの生態や分布に興味があって、とくに、木曽川流域に生まれ育ったこともあり素人ながらヤマトイワナの探索のまねごとに精を出したものです。
その後にご縁ができた山本氏に木曽川(阿寺川)のイワナの検体(アブラビレ)を送らせていただいたことがありました。その結果、味噌川産と阿寺川産のDNAの一致が証明され木曽イワナの型=Hap-28型と同定されたと報告を受けています。
山本氏のDNAネットワーク図のよれば日本のイワナのDNAタイプはHap-3型がもっとも多く、この型からタイプが離れるほど隔離の歴史が古いと言われており、木曽川産のHap-28と、紀伊半島熊野川産のHap-29はとくに大きく離れた古い個体群だそうですが、ところがどういうことなのかわかりませんが、イトシロイワナのHap-new36はこのHap-28.29に近い位置になり、やはりかなり古いタイプの個体群らしいのです。
我々釣り人にわかりやすい表現をすると木曽川がヤマトイワナで熊野川がキリクチと呼ばれているタイプです。ただし我々は生息水系と外見的な特徴でヤマトイワナと分類してきたものも遺伝子型的には同一ではなく見た目は似たようなヤマトイワナ的でも生息水系によってそれぞれが異なるといいます。天竜川ヤマトイワナ系のHap-22はまだしも富士川産ヤマトイワナ系のHap-3はどう説明したらいいのでしょう?Hap-3と言ったら日本中のイワナに一番多い基本となっている型です。

つまり白山水系のイトシロイワナの遺伝子型がなんで木曽イワナやキリクチに近いの?・・・混乱?
もうこうなるとさっぱり訳がわからなくなります。

ちなみにHapに続く数字は型として解析された時間的順番で付けられている番号です。
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イワナ1(Hap-new36)
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イワナ2(Hap-new36)
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イワナ3(Hap-new36)
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イワナ4(Hap-new36)
釣り人はイワナの外見的な特徴だけで安易に区別してはならい。

遺伝子型から在来個体群と証明されるには、その水系において過去に他所のイワナが放流されたことが無い、もしくは滝やエンテイなどで隔離され交雑が起こってないと考えられる生息群から20匹以上のヒレを解析して、すべての型が一致しなければならないのです。
実はHap-new36と証明されたイワナたちの外見上の見た目は様々でした。最初はイトシロの源流にヤマトイワナのようなに背中に白点の無いイワナが生息しているという情報から始めた調査だったのですが、始めてみたらたしかに白点のまったくないようなタイプもいましたが、白点が背中全体にふつうにあるものまで様々なタイプが混成していました。したがって遺伝子型の一致はないだろうと思っていたところ、どういうわけかすべてが一致という結果になったのです。それ以来、個人的にはイワナの外見的特徴はあまり関係ないと思うようになりました。かって私が木曽川水系で探釣していて時も、ここと見込んだ谷でも背中にまったく白点のないイワナばかりの場合は少なくて、数匹釣ると白点のあるタイプ混じること多くて、がっかりし「ここは交雑水系」と決めつけていたものですが、あれも遺伝子解析すればすべて一致したのかもしれません。
これはネット環境の罪でもあるんですが素人である釣り人が、にわか魚類学者気取りでヤマトイワナ、ニッコウイワナのことを評論する昨今です。ひどいのになると腹部が赤いだけでヤマトイワナなどと書いてます。やめてもらいたいものですね。
今後、遺伝子解析が進むことで、いろいろわかってくるでしょうから、それまではしばらくの間、外見だけでニッコウイワナだヤマトイワナだと言うことは封印した方がいいかもしれませんね。

参考資料、コピペで検索してみてください。

http://www.maff.go.jp/j/budget/yosan_kansi/sikkou/tokutei_keihi/seika_h22/suisan_ippan/pdf/60100161_01.pdf#search='%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E8%A9%B3%E4%B8%80%E9%83%8E+%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%83%8A'

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イワナ5(Hap-new36)
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イワナ6(Hap-new36)
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イワナ7(Hap-new36)
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イワナの調査には、このような許可証を発行してもらいます。

この投稿で使用した画像1から画像7までのすべてがHap-new36型のイワナです。
イワナは見た目だけでやすやすと判断できないことをお伝えしておきます。
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# by itoshiro-sp | 2015-07-02 16:36 | 魚のはなし  

ヤマメ(マスバイ)&アマゴのこと

ヤマメ(マスバイ)復活の話の前にヤマメとアマゴのことをお話しておかなければなりません。
ヤマメとアマゴは非常に近い近縁の種類でよく似ていますが、アマゴには朱色か赤の点模様があることでヤマメとははっきりと区別できます。
ヤマメはサクラマスの河川残留型でアマゴは海に下ればサツキマスとなる。日本における分布図を簡単に言ってしまうとアマゴが東海以西の太平洋流入水系となりヤマメはその他の水系、またヤマメはシベリアのカムチャツカあたりまで広く分布するがアマゴは西日本の太平洋側だけという世界的にも希少な個体群である。一般的にはアマゴの降海性はヤマメより低いといわれており河川上流部での定着性もヤマメより強い気がします。
日本において、この2種は古来より水系別ではっきりとした棲み分けをしてきたのですが、近年漁協による確信的な移植放流(県の指導方針)などが行われてきた結果、本来の分布域が乱れてしまいました。最近になってようやく水産庁がこのことを危惧し古来からの分布に戻す指導がされはじめました。しかし、アマゴが定着し自然再生産している水域では放流をアマゴからヤマメに切り替えれば済むというように、そう簡単にはいかないはずです。根気のいる取り組みとなるでしょう。

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ヤマメ(石徹白ではマスバイ)赤い点は何処にもありません。この個体は体側にピンクの帯はありませんが、側線に沿ってきれいなピンクの帯がある個体もいます。
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アマゴ1
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アマゴ2
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アマゴ3
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アマゴ4
上の四画像、すべてアマゴです。赤い点は薄かったり、濃かったり、少なかったり、多かったりと様々ですが、この赤い点がヤマメとの決定的な違いです。アマゴ4もよく見ると小さな赤い点があるのでヤマメではありません。
またアマゴとヤマメは近縁なので簡単に交雑します。交雑魚には赤い点が出現しやすい傾向があり世代を繰り返してもアマゴ的な特徴がいつまでも消えないといわれます。


石徹白川も本来はヤマメの川であったのですが、約90年前に下流にできたダムのせいでヤマメが減ってしまったために、アマゴ(長良川産)を移植したという古い歴史があります。
岐阜県におきましては、分水嶺を境に太平洋に流れる川にはアマゴ、日本海に流れる川はヤマメという分布のハズですが、近年の漁協管理が始まるずっと昔から人の手による小規模な移植は行われたことで、かなり古くから少なからず分布の乱れがあったようです。
また分布境の隣接地帯ではヤマメとアマゴは一様にアマゴと呼ばれていた所も多く、今となっては移植の実態はそのほとんどが検証不能となっているなかで、石徹白川の移植については、はっきりとしております。九頭竜川漁業会(現奥越漁協)の事業として1929年に始まり1941年にかけて数回に渡り行われています。
この時代はまだアマゴの養殖は始まっていませんでしたので長良川の漁師に依頼し活魚として調達したもので、すべて長良川の天然魚でした。
この事業は九頭竜川漁業会の管理地域全域に対して行われた事業であったのですが、発起人でありリーダーが石徹白の須甲末太郎氏(当時組合長)であったことで、最初の移植は石徹白川の前川(峠川)にされたようです。
移植後3年ほどで前川全域に定着がみられたといいます。
ここで、先人の名誉のために言っておかねばならないことは、アマゴ放流の出自は下流部にできたダムのせいでサクラマスの遡上がなくなり、それにともない今まで川にいたヤマメが激減したことへの対策事業だったということです。サクラマスの遡上が毎年継続していた水系のヤマメであったことを考えれば、たぶんアマゴを放流しなくてもヤマメは絶えたと思われます。
そんな事情を考慮すれば「正しい棲み分けを壊したマズイ放流だった」などと安易に言うべきではありません。
個人的な見解ですが、先人たちの努力のことを思うと、今さらヤマメに戻す必要はあるの?今さら遅いんじゃないの?という気持ちも、じつは少しあります。

なによりも、この時代の生活環境や交通事情などを想像すればどれほど大変な事業であったか計り知れませんし、須甲末太郎という人の行動力の基となったものは何だったのか?情熱?いや、もはや熱狂としか言いようがない気がします。
残念ながら、平成元年に享年85才でお亡くなりになっていますが、この人物には、ぜひお話しを聞きたかったと思うばかりです。
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なお、ヤマメをマスバイと呼んでいたのは九頭竜水域でも石徹白だけだったようです。石徹白の先人たちはヤマメがサクラマスの子であることをちゃんと認識していたのでしょう。
(福井県では他の多くの地域でヤマメのこともアマゴと呼んでいたようです)

別件としてもう一つ、これはイワナの話なんですが
須甲末太郎氏は朝日添川 鳩塩(ハツシオと読むらしい)の滝上流部の魚空白地帯にも、大正の始め頃に石徹白本流や支流で捕獲したイワナの稚魚を放流したことでイワナが定着したと言われています。そうなると、以前に我我が遺伝子解析を依頼し原種と証明された在来イワナ(Hap-new36)は石徹白本流や支流のイワナの末裔ということになるのです。
須甲氏は魚の棲まない空白地帯にもサンショウウオは生息しているのを知りイワナを放してみようと考えたそうです。
朝日添川のイワナと本流上流部のイワナは同じ遺伝子の原種と証明されているので、大正の始め頃までは石徹白のイワナはすべてHap-new36型のだったという想定もできるはずです。
そして現在2015年、約100年たった今、石徹白川ではそのほとんどの水域において養殖イワナとの遺伝子的交雑でHap-new36の血脈は絶えてしまったわけです。
我我釣り人は、少しでもこれを残念と思うなら、すべては釣りのために増殖という名のもとで行われたことは知らなければいけないでしょう。
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Hap-new36イトシロイワナ(大正5年からの末裔なのか?)
このイワナはサンショウウオを吐き出しました。

家にいてもこのような考察をし、妄想できることがじつに楽しいこの頃です。
今では、実際の釣りより楽しいかもしれません。


アマゴ移植の話は平凡社刊「峠を越えた魚」鈴野藤夫著という本に詳しく紹介されています。興味深い話が満載です。アマゾンなどでまだ手に入ります。一読をお勧めする一冊です。
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# by itoshiro-sp | 2015-06-30 20:14 | 魚のはなし  

今日と明日NHKで放映

石徹白フィッシャーズホリデーで、行われた「ワイルドトラウトワークショップ」が、NHKのローカルニュースで放映されるそうです。
本日は18時30分からの「ホットイブニングぎふ」で18時40分頃から、明日は朝7時45分から「おはよう東海」で放送です。
本日は岐阜だけかもしくは東海3県?で明日は東海北陸7県?と聞きました。
参加された方はぜひ見てください。
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# by itoshiro-sp | 2015-06-24 07:03  

九頭竜川純系ヤマメ(マスバイ)

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やっと画像が届きました。19日に本流で釣られたヤマメです。

現在、石徹白川本流ではヤマメが釣れてます。このヤマメは昨年11月に5000匹放流したヤマメF1です。このヤマメは九頭竜川に遡上してきたサクラマスから採卵した子達です。
先日の試し釣りでは最大28センチになっていたそうです。F1と言うことは第一世代ということであり満1才6ヶ月ということです。
石徹白川ではヤマメの放流において遺伝子レベルの純系にこだわっており、今回の放流魚も安田龍司さん達が九頭竜川で釣ったサクラマスを秋まで畜養養殖し採卵するという、大変なこだわりの基で生育されたサクラマスの子から選別したヤマメを、九頭竜川中部漁協さんのご好意でお裾分けしていただきました。

この事業は今年が1年目ですが、来年以降になると現在定着しているアマゴとの交雑が発生する可能性が高いので今年は非常に重要な年となります。いま、漁協としてもこのヤマメをどう殖やしていくか?を検討中ですが(アマゴの生息しない禁漁区にも放流してあるのでそちらがうまく育ってくれれば幸いですが)
100年ちかく前に途絶えてしまったヤマメを復活させるわけですから、復活にも長い年月がかかる事業になると思いますが、粘り強くやるしかありません。
すべてが石徹白組合長のポリシーである本物の環境を未来に残すための一環事業です。こうしてこつこつやることで石徹白川は、もっともっと素晴らしくなるはずです。
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ほとんど回復していますが尾びれの下側が少し丸いところから昨年11月に17センチくらいで放流された個体と考えられます。24センチくらいでしょうか栄養状態も良いようですね。

タイトルで表記したマスバイという言葉について、
大正時代に九頭竜川勝原にダムができるまでは石徹白までサクラマスが上っていました。そのマスから生まれた子たちのうち川に残留した魚(ヤマメ)を石徹白ではマスバイとよんでいたそうです。今の組合長(70才)が子供の頃には、石徹白川はもう朱点のあるアマゴばかりだったそうですが、たまに朱点のないアマゴ?が釣れると大人達はマスバイとよんで区別したと言います。
今回のこのヤマメたちも九頭竜のサクラマスの直系ですから個人的にはマスバイとよびたいと思っています。
さ~次は、このマスバイが、ちゃんと定着しアマゴと入れ替われるかどうか・・・?なんですが、
これまで定着してきたアマゴのことを考えると心境は複雑です。
今から100年も前の話ですが、それまでたくさんいたマスバイが少なくなってしまいました。それを深刻に考えた石徹白の人達はふだん行き来のあった郡上の長良川からアマゴを移植しました。大正の終わりから昭和のはじめにかけて数回にわたる移植で見事に定着したと云います。当時はヤマメとアマゴの分布域の違いや生物多様性保全などということも一般の人達は知るよしもない時代です。誰も責められない話ですが、はっきりしていることは、アマゴたちに罪はないということだけです。
実は、石徹白川には、最初に移植した当時からの遺伝子を引き継いでいると考えられるアマゴたちの生息地があるんです、個人的にはそこのアマゴだけは、そのままなんとか残って欲しいという思いもあり、ますます複雑です。

というわけで、少々ゆれておりますが、
釣り人の皆様がヤマメは出来るだけリリースしていただけることを切望しております。個人でも出来ることは今のところそれだけですから。


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釣り人がやれることと言えば他にもこんなこともやってます。
産卵場造成は安田さんの指導のもとで活動していただいております。
ほんとに、頼りっぱなしで申し訳ありません。
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# by itoshiro-sp | 2015-06-14 07:40 | 魚のはなし  

2015石徹白フィッシャーズホリデー

石徹白フィッシャーズホリデー、無事終了しました。
私は2年ぶりということで、大勢の懐かしい人たちと再会でき楽しい2日間を過ごさせてもらいました。
ただし、張り切りすぎて少しバテました。今日から、予定通りまた病院通いがはじまりますのでイベントの詳しい報告は、ボチボチとさせていただきます。

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子供達も大きくなっていました。

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ワイルド.トラウト.ワークショップも大勢に参加いただきました。

峠川C&R区間内の中流部にある小川をイワナの産卵用に整備する事業を賛同者の皆さんに手伝ってもらいました。季節的にはまだ早いですが実際に2カ所の人口産卵場を作りました。
ここは今後も毎年整備していく予定です。魚たちができるだけ自然な形で命をつないでいくための手助けです。活動の基本は「できるだけ自然な形で・・・」なのでやり過ぎないことにも気をつけなければなりません。

http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?did=D0013773386_00000
参考動画

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ワークショップの現場まで会場から1キロ、往復2キロ、病気以来最長に歩いたよ。
おかげで夜中に足がつって1回目覚めた以外は久しぶりに泥のように眠りました。

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教え子のマサヤが顔を出してくれました。ちゃんとキャスティングできてます。
この川はこの子達が守っていってくれるハズです。

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18年前からの仲間4人。
当時私が44才だったから彼らは30代だった。みんなけっこうシブいオッサンになりました。
みんなチョ~釣り好き小僧だったハズなのに、峠川で釣りをしてるとこあんまり見たことないな。「だって、けっして自分たちが釣りをするためにホネオッテきた訳じゃあないんだぜ。」カッケェ~でしょ!?
こう見えても中身は意外に「お花畑」じゃないんだぜ・・・#$%&?。

それにしても「長い間よくついて来てくれたものです。アリガトウです。」
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# by itoshiro-sp | 2015-06-10 05:13 | イトシロ