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源流用すず竹ロッド

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イトシロの源流用に全長182センチと186センチの2ピースロッドが2本完成しました。
藪のかぶったポイントでも振りやすいショートロッド、このロッドにはイトシロ岩魚の棲む谷の名前をつけるつもりです。
ともに20グラムのオモリをぶら下げたところです。上が186センチ、下が182センチです。
全体にきれいに曲がってるでしょ、短いのでけっこう調子を出すのに苦労してるんですよ、野に生えているすず竹の調子のままで6フィート前後を作ると、全長が短いために曲がりのストローク幅も短くなるので使いやすい距離のカバー範囲が狭くなります。つまり10メートル以上のキャスティングは使い良いのに5メートルくらいの近距離は硬すぎてまったく使えないというロッドやその逆に5メートルくらいまでは使いやすいのに10メートル以上はフニャフニャで使い物にならないロッドになります。これが7フィートくらいになれば曲がり幅の長さでカバーできてしまうのでそれほど顕著に感じることはないのです。だから短いロッドのほうが難しいんです。ジョイントの部分をカットしたりティップだけ少しやわらかい竹を継いだして微妙な調整をしてます。
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さて、私の作る「すず竹ロッド」、グリップとリールシートのデザインは違和感を感じますか?
以前は一般的なフライロッドのようにコルクグリップでしたが、最近コルクの値段がお高いんですよ。特に上質なものはめっぽう高いので何も欧米のフライロッドと同じようにしなければならないこともないかと思い、身近な材料である布袋竹を採用してます。天然のコブコブになってるものをそのまま使うのでひとつづつけっこう違うのですがどれもが、意外にもとても手に良くなじみまったく違和感がないと言ってもいいのです。このことは私だけの意見でもなく使ってくれている人の評判も上々で今のところ使いにくいと言う人がいません。今回182センチモデルには少し細すぎると思われる物を採用してみましたが、いやいや、これもけっこうよかったですわ。リールシートよりグリップのほうが細いのでリ-ルをとめるリングがグリップのほうに外れないようにリールシートにリング止めのツバをつけました。かなり不思議なデザインになりましたがどうです変ですか?
グリップを布袋竹にすれば、材料代がうんと安く済むのでその分で金具を石徹白オリジナル(シルバー製)にできます。
私の場合は日本(特に石徹白)のフィールドでのフライフィッシングに特化したフライロッド作りをしているのでずっとこのすスタイルでいこうと思ってます。

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石徹白ロッド専用のオリジナル金具、シルバー製です。
笹の葉3枚で構成されたポケットと竹をデフォルメしたリングです。すず竹ロッドにおいて唯一、見た目にコストをかけてるところですが機能も忘れていません、リールをホールドするためのこのようなタイプの金具はハーディーのロッドが昔から採用してます。他では最近は見かけませんがこのデザインだとリールフットの形状が少々厚くても対応できるしホールドの確実性が高いので、実用面での採用の産物でもあるんです。

by itoshiro-sp | 2013-02-23 14:28  

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